八千代市の往診専門ルル動物病院では一年を通してのノミマダニ予防をお勧めしています。

2025/06/25 ブログ

八千代市の往診専門ルル動物病院では一年を通してのノミマダニ予防をお勧めしています。

 

皆さんもニュースでご覧になったかもしれませんが、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病気が関東でも確認されるようになってきました。

 

これはSFTSウイルスというウイルスが体に入って発症する病気で、マダニに刺されることやマダニによって感染した動物の体液に接触することで人間も感染します。

 

猫や犬が感染した際には以下のような症状が見られます。

  • 高熱が出る

  • 元気がなく食欲不振

  • 嘔吐や下痢

  • 黄疸

  • 血尿や血便などの出血傾向

 

猫が感染した際の致死率は60%前後といわれており非常に高く、犬での致死率は30%前後といわれ、猫よりは低いですがかなり高い致死率です。

 

現在のところ有効な特効薬やワクチンはなく、基本的には点滴や抗生剤の注射、制吐剤などによる対症療法になります。

 

 

そして感染した犬や猫の涙や唾液、尿や血液などによって人間にも感染する恐れがあります。

人間での症状は

初期症状(風邪に似ている)

  • 高熱(38~40度)

  • 強い全身倦怠感(だるさ)

  • 食欲不振

  • 吐き気・嘔吐

  • 下痢・腹痛

  • 頭痛・筋肉痛

進行時の症状(重症化すると)

  • 意識障害(意識がもうろうとする)

  • 痙攣(けいれん)

  • 出血症状(歯ぐき、鼻、皮下など)

  • 肝機能障害、腎不全、DIC

 

人間での致死率も10~30%ほどといわれており、特に高齢者や基礎疾患のある人は、50%近くに達することもあると言われています。

 

人に対しても有効な特効薬やワクチンはなく対症療法になってしまいます。

 

このような危険なウイルスが皆さんの身近に迫ってきている可能性があります。

 

残念ながら現在のところSFTSウイルスに感染してしまった際の有効な治療はないため、基本的な予防はマダニをつけない、持ち込まないことが重要になります。

 

猫に関しては外に出さない、逃げ出してしまった際のために(今回感染してしまった猫さんは完全室内飼いでしたが偶然逃げ出した際にマダニにかまれての感染でした)マダニの予防薬の塗布、当院ではレボリューションプラスやネクスガードキャットコンボをお勧めしています。

 

犬に関しては草むらに入らないような散歩コースを選んでいただくこと、当院ではマダニ予防薬としてネクスガードやクレデリオをお勧めしています。

 

人間に関してもマダニにかまれないよう散歩の際には季節柄暑いですが長ズボンを着用するなどの対策をお勧めします。

 

また、体調が悪そうな外猫がいたとしても不用意に保護や近づかないようにしてください。マスクやゴーグル手袋などの対策をしっかりしたうえでけがなどないように十分注意してください。

けがをした部位からも感染する可能性があります。

 

SFTSウイルス感染症は他に見ないほど致死率が高い人獣共通感染症になります。

 

大事な家族である動物が感染しないために、そして感染した動物からご家族が感染してしまうといった悲しい連鎖が起きないようにしっかりとした予防と対策をしていきましょう。

 

往診専門ルル動物病院獣医師の齋藤でした。